ナポリを見たら死ぬ

南イタリア、ナポリ東洋大学の留学記。なお実際にはナポリを見ても死ぬことはありません。

大学院

教授とコーヒーを飲みに行った話

教授のことはちょうど一年前に授業を受け始めた頃から知っているのだが、修論の指導も全てオンラインだったので、今日はじめて対面で会うことになった。ちょうど今日から大学が再開し、教授の授業が終わったら会いましょうという話になったのである。加えて…

年上を敬え

古代ローマの哲学者セネカが残した『生の短さについて』”De brevitate vitae”という書簡がある。大学に入学したてのころだったか、初めて読んで以来ずっと座右の書で、しばしば読み返したり、語学学習にも活用してきた、僕にとっては欠かせない一冊である。…

Quidquid latine dictum sit, altum videtur

なんのことはない。タイトルは「なんであれラテン語で述べられたものは、格調高く見える」というだけのラテン語である。 10月から修士課程2年目に突入し、まだ来年の話ではあるが、後期にラテン文学の授業があるのだ。それに向けて、ラテン語演習の授業が週…

イタリア美術史の試験

ナポリ東洋大学の留学記などと銘打っておきながら、自分の学生生活についてほぼ3ヶ月なにも記事を書いていなかった。 イタリアはいま、だいたいどこの大学も試験シーズンで、僕も今日は試験を受けた。1200年代後半、チマブエやジョットから、1400-1500年代の…

イタリア地理の最終試験の口頭試問でどもりまくってきた

27点だった。とんでもないバカだと思われるかもしれないが、イタリアの大学の試験は30点満点なのでそこそこ悪くない点数だ。ここ数週間、この地理の試験のために散々振り回されていたから、これでようやく肩の荷が下りた。でも口頭試問は心臓に悪い。 科目に…

イタリア古典文学の教授に会ってきた

www.napoli-muori.com 先日、イタリア古典文学のC教授のもとへ行ってきた。12月初頭に受けた筆記試験の結果を知る必要があったからだ。 たぶんイタリアの大学はどこもそうなのだろうと思うが、オリエンターレことナポリ東洋大学では教授ごとに面会時間という…

日本の大学職員は決して無能でもなければクソでもない

ナポリ東洋大学に入学してまる三ヶ月になろうかという今ごろになって、ぼくはようやく学生証とメールアドレスを入手した。 もともと、学生証もアドレスも年明けに発行される予定だった。なぜそんなに時間がかかるのかこの時点でだいぶ意味がわからないのだが…

イタリア古典文学の教授に懇願する

年内最終授業日の今日、ぼくは、イタリア古典文学の教授に泣きつくことを決意した。 www.napoli-muori.com 先日、ぼくは件の授業の筆記試験を受けてきたのだが、これはあくまで中間試験であって、最終試験ではない、ということになっている。 だが、どうやら…

古典ギリシャ文学の教室がわからない

このあと、古典ギリシャ文学の授業なのだが教室が決まっていない。 本来この授業は14時半からなのだが、前回の授業中、「定年退職する同僚のお別れパーティにどうしても出席したい、だから授業時間を変更させてくれ」と教授が深い人間味を見せたため、いつも…

イタリア古典文学の筆記試験

今日、ぼくはイタリア古典文学の筆記試験を受けてきた。 試験といっても最終的に成績の決まる試験ではない。正式な試験は年が明けてから、口頭試問で行われる。イタリアの試験は基本的に口頭試問である。が、一度にすべてを決めるのも良くないし、また学生に…

大学から詐欺メールが届きまくっている

たいていどこの大学にもあると思うが、ナポリ東洋大学にはCLAORと呼ばれる語学学習センターがある。留学生向けのイタリア語のコースを開講してくれたり、英語その他の言語を自主学習するための教材を提供してくれたりする大学内部の組織だ。 そのCLAORの名前…

教授に怒られた

来期、ぼくはイタリア言語学の授業を受講するのだが、その教授からぼくの在籍する学科の留学生全員にお怒りのメールが入った。 「すでにT教授やP教授から何度もメールがあったはずなのに、なぜ皆さんが返信されていないのか理解できません」というのだが、一…

大学の入学許可証を依頼するイタリア語メール

www.napoli-muori.com このブログの最初の記事にも書いたのだが、ぼくはいま通っている大学院に入学するにあたって、個人的に教授にお願いして入学許可証を書いてもらった。イタリア語では"Lettera di idoneita' accademica"とか"Lettera di idoneita' all'i…

6000匹のイワシ

このところ、イタリアでは「イワシ」が話題となっている。それはぼくの地理の教授お気に入りの話題でもある。どういうことか? ある朝、4人の若者たちは決意した。マッテオ・サルヴィーニ率いるポピュリストは受け入れられない。もううんざりだ、と。サルヴ…

アックア・アルタという恥:モーゼ・プロジェクト

「なぜイタリアでは何事も上手くいかないのか」というのは地理の授業の教授から投げかけられた問いである。とはいえ、それは誰もがしばしば考える問題なのだが。「他の国では解決される問題も、この国では決して解決しない」と教授は嘆く。「ヴェネツィアで…

失業者による失業者の就業支援

ぼくが受講している地理の授業は、新たなフェーズに突入した。このところのテーマは"都市"となり、都市の発展やらそれに関わる人々の動きが取り上げられている。移民・難民が話題に上がる余地が減ったため、「恥を知りなさい」などと言われることがなくなっ…

イタリア文学とヨーグルト

金曜日、ぼくは4つの授業を受けている。イタリア地理、イタリア文学、古典文学の文化、イタリア語。どれも面白い授業なので満足なのだが、1コマ2時間で、朝から夕方までぶっ通しで授業なのでそこそこタフだ。しかも問題なのが、授業間に休憩時間がないうえに…

Homo sum.

今期、ぼくはイタリアの地理の授業を受けていて、テーマとして移民やらイタリアにおける環境主義の目覚め、持続可能な開発、などが扱われている。どれもとても重要なテーマなのだが、しばしば、これらのメインテーマから派生する話題へと教授の話が横道にそ…

日本人留学生

昨日から大学で開講されている外国人向けのイタリア語の授業に参加している。とくに単位がもらえたりするわけではないけれど、留学生なら無料で受講できるので、参加しない手はないだろう。 そのイタリア語のクラスに、日本人の女子学生がいた。話を聞いてみ…

ダンテ、ストーカー

僕が受講しなければならないイタリア文学の授業は、教授が資料も板書もなくひたすら話し続けるという地獄の様相を呈している。当然一度ではわかるわけもないので、授業を録音してあとから復習するようにしているのだが、僕の近くに座っていた生徒が「わから…

Palmisciano教授

今日、Palmisciano(パルミッシャーノ)教授による初めての授業があった。僕が裏ルート(?)の入学許可証を個人的にお願いした教授だ。ちゃんと顔を合わせてお礼がしたかったので、授業後にあいさつをしに行ったら、大変激励され、また非常に丁寧に対応して…