ナポリを見たら死ぬ

南イタリア、ナポリ東洋大学の留学記。なお実際にはナポリを見ても死ぬことはありません。

古典ギリシャ文学の教室がわからない

このあと、古典ギリシャ文学の授業なのだが教室が決まっていない。 本来この授業は14時半からなのだが、前回の授業中、「定年退職する同僚のお別れパーティにどうしても出席したい、だから授業時間を変更させてくれ」と教授が深い人間味を見せたため、いつも…

イタリア古典文学の筆記試験

今日、ぼくはイタリア古典文学の筆記試験を受けてきた。 試験といっても最終的に成績の決まる試験ではない。正式な試験は年が明けてから、口頭試問で行われる。イタリアの試験は基本的に口頭試問である。が、一度にすべてを決めるのも良くないし、また学生に…

大学から詐欺メールが届きまくっている

たいていどこの大学にもあると思うが、ナポリ東洋大学にはCLAORと呼ばれる語学学習センターがある。留学生向けのイタリア語のコースを開講してくれたり、英語その他の言語を自主学習するための教材を提供してくれたりする大学内部の組織だ。 そのCLAORの名前…

ィタリァ語でゎXゃKゎ使ぃません

ローマ字は全部で26文字あるが、イタリア語では基本的に21文字しか使わない。イタリア語においては、J, K, W, X, Yの5文字はほとんど外来語を表記するときにしか使われないのだ。 ところがそんな文字を好き好んで使う連中がいる。とりわけXとKを。 Xは"per"…

アルティメットについて:イタリア代表選考会

ぼくは今、ボローニャに向かっている。ナポリからフレッチャで3時間半だ。 フレッチャというのは写真の電車のことで、日本で言う新幹線みたいなものだ。今日は全国的な鉄道のストライキが実施されているのでどうなるかと思ったが、フレッチャには影響がなく…

教授に怒られた

来期、ぼくはイタリア言語学の授業を受講するのだが、その教授からぼくの在籍する学科の留学生全員にお怒りのメールが入った。 「すでにT教授やP教授から何度もメールがあったはずなのに、なぜ皆さんが返信されていないのか理解できません」というのだが、一…

大学の入学許可証を依頼するイタリア語メール

www.napoli-muori.com このブログの最初の記事にも書いたのだが、ぼくはいま通っている大学院に入学するにあたって、個人的に教授にお願いして入学許可証を書いてもらった。イタリア語では"Lettera di idoneita' accademica"とか"Lettera di idoneita' all'i…

6000匹のイワシ

このところ、イタリアでは「イワシ」が話題となっている。それはぼくの地理の教授お気に入りの話題でもある。どういうことか? ある朝、4人の若者たちは決意した。マッテオ・サルヴィーニ率いるポピュリストは受け入れられない。もううんざりだ、と。サルヴ…

海外の銀行:N26を留学用口座として使う

www.napoli-muori.com 以前にも紹介したN26。口座開設手続きは8分で済むうえに、スマホとパスポートさえあれば、サービスの展開されている国ならどこでも使えるというすごい銀行だ。その点で、ぼくは特にイタリア関係者のみなさんにN26をおすすめしたい。と…

アックア・アルタという恥:モーゼ・プロジェクト

「なぜイタリアでは何事も上手くいかないのか」というのは地理の授業の教授から投げかけられた問いである。とはいえ、それは誰もがしばしば考える問題なのだが。「他の国では解決される問題も、この国では決して解決しない」と教授は嘆く。「ヴェネツィアで…

異邦人になるということ

www.napoli-muori.com 以前にも書いたのだが、ぼくはここナポリでは明らかに異邦人である。そして、異邦人としてそれ相応の経験をする。差別、ステレオタイプ、偏見。店先から「ニーハオ」と声をかけられるくらいのことはまだいい。東アジア人=中国人なのだ…

ナポリからポンペイ遺跡へのオススメの行き方

ポンペイを観光する Villa dei Misteriのフレスコ画 ポンペイを観光する チケットの事前購入 ナポリからポンペイへの行き方 電車の切符について チケットの事前購入 ポンペイの入場券は現地でも買えるので、必ずしも事前購入しなければ入場できないわけでは…

ナポリを見て死ね

ナポリを見たら死ぬか? Vedi Napoli e poi muori ゲーテは、南イタリアを旅して、その美しさを讃えた。その際、彼が引用したのがこの言葉である――ナポリを見て死ね。 ナポリはたしかに、風光明媚だ。この街を知らずに死んではいけない。 だが、巷ではナポリ…

N26のカードがついに届いた

www.napoli-muori.com N26のカードが届いた。ついに。苦節約2ヶ月。再配達を依頼すること5回。チャットで担当者に話が通じないこと数知れず。今日、ついに届いた。本当にありがとうございました。カードが半透明でかっこいい。これで余計な手数料を取られず…

イタリア人のアルティメット英語力

今日、ぼくはボローニャでフリスビーを投げてきた。 どういうことかと言うと、アルティメットというスポーツのイタリア代表選考会があったのである。来年の世界選手権に向けて、代表選抜を行うとともに、外部コーチを招いてレベルの底上げをはかるイベントだ…

失業者による失業者の就業支援

ぼくが受講している地理の授業は、新たなフェーズに突入した。このところのテーマは"都市"となり、都市の発展やらそれに関わる人々の動きが取り上げられている。移民・難民が話題に上がる余地が減ったため、「恥を知りなさい」などと言われることがなくなっ…

滞在許可証申請中の出国について

滞在許可証申請中の出国について あなたはイタリアから出国したり再入国したりできるのか? 結論から言おう。2019年11月7日現在、滞在許可証の新規発行申請中であれば、できる。もしも滞在許可証の更新申請中であると、話はややこしくなるが、できないことは…

N26のカードが届かない

napoli.hatenablog.com 一ヶ月半も前に書いたこの記事で、ぼくはN26という銀行を紹介した。ちょうどその数日前に、ぼく自身が口座を開設した銀行だ。手続きは全てオンラインで行われ、キャッシュカードは郵送で自宅に届く仕組みになっている。 ところが、キ…

ナポリ国立考古学博物館:古代ギリシア・ローマ文化と包茎について

「このバカ、何を書くつもりなのか」と思った方へ 古代ギリシア・ローマ文化と包茎について ナポリ国立考古学博物館 包茎・なぜぼくはこの記事を書こうと思ったか ヘラクレス アキレウス パン 包茎でも陰茎が小さくても気にするな 「このバカ、何を書くつも…

考えさせられるピッツァ、Sorbillo

またしてもSorbillo(ソルビッロ)のピッツァを食べに行った。フランスに留学中の後輩がわざわざナポリに遊びに来てくれたので、ナポリナンバーワンのピッツァを食べないわけにはいかなかったのだ。ちなみに、ナポリはイタリア全土でピッツァが一番美味い街…

Mensa Occupata、あるいは占拠された大学食堂

Mensa Occupata ナポリにある一番大きな大学は、フェデリコ二世・ナポリ大学という。そのナポリ大学や、ぼくの通うナポリ東洋大学の建物が集まっている、Mezzocannoneという通りがあるのだが、ここは「活動家の聖地」だとかいう話を聞いた。正直なところ全く…

Sorbilloのピッツァ

Sorbilloのピッツァを食べてきた。ナポリで一番有名といってもいいピッツェリアで、ナポリ中心部のVia Tribunali(トリブナリ通り)に面している。 このピッツェリアはSorbillo一家が経営しているもので、ナポリには3つ店舗があるのだが、今回行ったのはGino…

イタリア文学とヨーグルト

金曜日、ぼくは4つの授業を受けている。イタリア地理、イタリア文学、古典文学の文化、イタリア語。どれも面白い授業なので満足なのだが、1コマ2時間で、朝から夕方までぶっ通しで授業なのでそこそこタフだ。しかも問題なのが、授業間に休憩時間がないうえに…

Homo sum.

今期、ぼくはイタリアの地理の授業を受けていて、テーマとして移民やらイタリアにおける環境主義の目覚め、持続可能な開発、などが扱われている。どれもとても重要なテーマなのだが、しばしば、これらのメインテーマから派生する話題へと教授の話が横道にそ…

醤油を飲みたい

こちらへ来て一月が経った。外食はせずに、毎日自分で調理したものを食べている。 だが、自炊に飽きた。自分の作る料理は美味しい。まあ自分の口に合うように作っているのだから当然だ。美味しい、けど何かが足りない。カレー、ビーフシチュー、ワイン煮込み…

ベルルスコーニによるグレタの評価

https://video.repubblica.it/politica/chiedono-a-berlusconi-un-parere-su-greta-thunberg-lui-racconta-storiella-su-viagra-e-donne-svedesi/345743/346327 ベルルスコーニはイタリアの首相経験者で、色々とスキャンダルが多すぎたので日本でも名前程度…

日本人留学生

昨日から大学で開講されている外国人向けのイタリア語の授業に参加している。とくに単位がもらえたりするわけではないけれど、留学生なら無料で受講できるので、参加しない手はないだろう。 そのイタリア語のクラスに、日本人の女子学生がいた。話を聞いてみ…

ムッソリーニの孫娘

べニート・ムッソリーニは誰もが知っているファシストのヤバいやつだが、その孫娘の存在は日本ではほとんど知られていないと思う。 その孫娘、アレッサンドラ・ムッソリーニは、祖父と同じく政治家として活動している。さすがに、ファシストとして活動するほ…

ダンテ、ストーカー

僕が受講しなければならないイタリア文学の授業は、教授が資料も板書もなくひたすら話し続けるという地獄の様相を呈している。当然一度ではわかるわけもないので、授業を録音してあとから復習するようにしているのだが、僕の近くに座っていた生徒が「わから…

Palmisciano教授

今日、Palmisciano(パルミッシャーノ)教授による初めての授業があった。僕が裏ルート(?)の入学許可証を個人的にお願いした教授だ。ちゃんと顔を合わせてお礼がしたかったので、授業後にあいさつをしに行ったら、大変激励され、また非常に丁寧に対応して…