ナポリを見たら死ぬ

南イタリア、ナポリ東洋大学の留学記。なお実際にはナポリを見ても死ぬことはありません。

ナポリの終わりは近い(か?)

www.repubblica.it

3月8日、新型コロナウイルスことCovid-19の感染拡大にともない、ロンバルディア州ほか北部14県が封鎖され、様々な規制が施されたと思ったら、翌9日には封鎖措置が全土に拡大された。どこもかしこも4月3日まで閉鎖だ。大学、ジム、博物館、美術館、ディスコ、スキー場等々。さらに、レストランやバールなどの飲食店の営業は6時〜18時に制限されるし、スーパーなどは営業可能だが各人が1m以上ほかの人びとから離れられるだけのスペースを確保しなければならない。加えて、不要不急な移動が制限される。鉄道や高速道路に検問が設けられ、移動に際してはその理由を自己申告する必要がある。そのための書式も配布されている。

もうわけがわからない。スーパーに人が殺到しているとの新聞記事になっていたが、実際にぼくも近所のスーパーへ行ったら店の外まで100メートル以上の行列ができていたので諦めて帰ってきた。封鎖令が拡大するという話が出る前に、「4月までの食料を買い溜めた」と言っていた同窓の中国人女子留学生が結果的に大正解だったようだ。ちなみに、彼女の話によれば、多くの中国人留学生は自国のほうが安全だというので、イタリアから脱出しているらしい。ウイルス発生当初と完全に立場が逆転した。

ところで、イタリアの感染状況は、下のマップで確認できる。市民保護局というイタリア政府の機関が公開している正式なものである。

opendatadpc.maps.arcgis.com

見れば、感染は北部に集中しているが、ナポリのあるカンパニア州も9日17時現在で累計120件の陽性者が出ている。しかし、ロンバルディアでの感染のピークが4月半ば、その後ほかの地域にも波及していくという観測(Coronavirus, il contenimento sarà prolungato - Biotech - ANSA.it)もあるし、もうおしまい。せめて最後の最後までナポリのピッツェリアが封鎖されないことを祈っていたが、もうすでに営業時間が制限されているし、ピッツァが食べられなくなったらいよいよおしまい。ピッツァが食べられなくなったときナポリは終わる。そのときが本当におしまい。