ナポリを見たら死ぬ

南イタリア、ナポリ東洋大学の留学記。なお実際にはナポリを見ても死ぬことはありません。

イタリア、ぶっ壊れる

そもそもほとんど何もかも閉鎖されているので行くあてもないのだが、新型コロナウイルスのせいで極力外出を控え、家に居なければいけないので、情報収集と暇つぶしにニュースで状況を追っているのだが、日々状況が悪くなっていく。

たとえば、昨日スーパーに行ってきたのだが、人が殺到しているうえに、各人が1メートル以上のスペースを確保できるように入店人数が制限されているから、スーパーまで100メートル以上も行列ができていた。

f:id:RomoloJPN:20200310084818j:plain

行列

おまけに、店内ではパスタがほとんど売り切れていた。よくわからないメーカーのあまり使わない種類ばかりが残っていて、BarillaやDe Ceccoなどの有名どころのパスタは完全に消滅していた。ちなみに、写真は撮らなかったのだがトイレットペーパーもほとんど残っていなかった。トイレットペーパーを買い占めるのは日本人だけではないみたいですよ。

f:id:RomoloJPN:20200310165548j:plain

パスタ売り切れ

もともと、ロンバルディア州ほか北部14県に適用されていた首相令の範囲が拡大されて、イタリア全土で移動が制限されるようになったとはいえ、ナポリはまだ感染が爆発しているわけではない。それでこの有様なのだから、"震源地"とも言えるロンバルディアはとんでもないことになっているのではないかと思う。

実際、ロンバルディアではスーパーや薬局以外を除いてすべてを閉鎖することが検討されている。

milano.repubblica.it

現時点では検討段階なので、実際に適用されるかはわからないが、本当に必要最低限な食品店や薬局だけを営業させるという案だ。こんな話が出るくらいにイタリア北部は追い込まれている。おまけに、上記記事では重症患者向けのベッドを2015年ミラノ万博の跡地に設ける方向で動き始めているということまで書かれている。他の記事を読むと、どうやらロンバルディアではすでに医療機関がパンクしているようである。

www.repubblica.it

ベルガモ市長曰く、

Sembra che la crescita stia solo rallentando e invece è solo perché non ci sono più posti (se ne aggiungono pochi con grande fatica). I pazienti che non possono essere trattati vengono lasciati morire

(訳注:集中治療を施される重症患者数の)増加ペースが落ちているように見えるが、実際にはベッドがもうないだけなのです(大変な労力をかけてもほんのわずかしか増やせない)。処置が施せない患者は死ぬがままにされています。

市長がそんなに不安を煽るような発言をしていのか疑問だが、実際に年齢やほかの疾患の有病状況を踏まえて患者の選別をしている(Coronavirus, il medico di Bergamo: "Costretti a decidere chi salvare. Come in guerra" | L'HuffPost) という記事もあるし、イタリア北部はもうおしまい。これが南部にまで広まったら本当におしまい。

ちなみに、レストランやバーの営業時間は6〜18時までに制限されているのだが、宅配は18時以降も可能である。つまり18時以降もピッツァのオーダーができる。希望もあるということ。