ナポリを見たら死ぬ

南イタリア、ナポリ東洋大学の留学記。なお実際にはナポリを見ても死ぬことはありません。

ナポリ、おしまい(7ヶ月ぶり2回目)

 

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 今年3月、Covid-19の感染拡大により公衆衛生上の危機に直面したイタリアは、ロックダウンを行った。そしてナポリもおしまいを迎えた。

とは言ってもいつまでも何もかも封鎖しているわけにもいかないので、感染者数が減少するに従って措置は緩和された。その間も当然、ウイルスは人びとを介して密かに生き延びていたわけだが、致命的な打撃を受けた経済を再生させるために旅行キャンペーンが展開されるなど、まあ、ウイルスは恐れられつつも夏場は楽しまれた。

そして大方の予想通り、第二波がやってきた。10月になってから徐々に増え始めたかと思ったら、突然爆発し、気づいたらイタリア全体で今日の新規感染者は2万人近い。ナポリのあるカンパニア州も、昨日は1500人程度だったのに、今日は約2300人である。控えめに言っても全然だめ。
そもそも州知事のデ・ルーカ氏は、「州内の新規感染者数が毎日1000人を超えたらロックダウンしなければならない」などと発言していたのだが、その後数日ほどでこの防衛線は軽々と突破されてしまった。とはいえいきなり全部封鎖したりすれば経済的に死亡してしまうので、夜24時以降の公共空間での飲食を禁止する、くらいの比較的軽めな措置を導入したり、クラスターが発生したコムーネをピンポイントでロックダウンしたり、それでも収まらなかったら今度はレストランの終業時間を早めてみたり、徐々に規制を強化することで経済と公衆衛生とのバランスが取れるところを模索していたようだが、だめだった。2300人感染で、検査数に対する陽性割合は14.5%、新規感染者のうち95%以上が無症状ではあるものの、放置したら医療崩壊は免れない。そんなわけで、つい数日前に決まった23時以降の夜間外出禁止令が今夜から効力を発揮することになっているのだが、本日の感染者数を受けたデ・ルーカ氏は「今日から始まる規制では不十分だ」と自分で決めたはずの対策について至極真っ当な感想を述べ、「すぐにでも全てを封鎖する用意がある」と宣言した。というわけで、ナポリはまたしてもおしまいである。

これを受けて僕は、本気のロックダウンとなるとピッツァの宅配すら禁止されかねないので、今夜の夕食を当然ピッツァにした。食べられるうちに食べねばならぬ。

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